日本には本当に色んな人間がいる。
神待ち掲示板にいる女の子達もその例外では無く十人十色と言ったところだ。

そんな折、俺は神待ち掲示板で大和撫子な家出少女ちゃんに出会った。
今時こんな娘も珍しいぞ。

出会い系サイトや神待ち掲示板を使うような女の子ってのはどこかギャルっぽい娘が多かったりする印象があるのだがこの娘は絵に描いたような清楚な見た目。
一瞬の好きもない凛とした佇まいにはどこかしら日本人形の様な美しさがある。

髪もよく整っていて枝毛一本見当たらない・・・
完璧すぎるだろ・・・

約束の場所に向かった俺に掛けられた彼女の第一声も
「不束者ですが、よろしくお願い致します」
という挨拶だった。

駅前の人通りの前で深々とお辞儀する彼女。
これ室内だと絶対に三指付きそうな勢いなんですけど・・・

なんかこういうのって小説とかドラマでしか見たこと無いからどう対応していいかわからんな・・・
飯を食いに出かけようにもこんだけ礼儀正しい娘を連れて行くには場所を選ばないといけないな・・・
間違ってもコンビニ弁当食わせたりファミレスには連れていけないぞ・・・

勇気を振り絞って彼女に聞いてみる。
「何か食べたいものはあるかな」
ニッコリと笑顔を向ける俺。

キザで気持ち悪い。
おい、俺よそんな笑い方をするな。
キャラに合ってないぞ。

「あ、あの・・・」
ほら見ろ、彼女が惹いてるじゃないか・・・
「??」
笑顔のままの俺。
だからそのキモい笑顔をやめろ・・・

「私・・・ファーストフード店に行ってみたいです・・・」
「え、ああ、良いよ」

拍子抜け。

まさかのファーストフードですか。
もしかして厳しい家庭環境か何かで育ったせいで行ったことが無いのかな?

と思ったら案の定そうだった様だ。
まずレジの行列に並ぶということが初体験だったらしい彼女は周りをキョロキョロ。
オロオロ・・・

あの・・・そんな挙動不審にされると俺が君を誘拐したみたいに思われるからさ・・・
見た目があれだしさ・・・

そんな待ち時間も10分くらいして、
「いらっしゃいませ」
とお姉さんがゼロ円スマイルを向けてくれる。

「店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?」
「お持ち帰りできるんですか?」
とこれは家出少女ちゃん。
あ、あ~本当にファーストフード店初めてなんだな・・・

お持ち帰りと聞いて目をきらきら輝かせてるし・・・
「じゃあお持ち帰りで」
とこれは俺。

その後準備が終わるまでレジ横で待っている間にも彼女はワクワク、ウキウキと言った感じだ。
こうやって見ていると歳相応の可愛らしい女の子なんだな。

こんな娘でも家出するし、神待ち掲示板を使うんだな。
なんて考えてるとなんだか不思議な気持ちになった俺であった。